運動と筋肉 その1
みなさんは中学や高校などの学生時代に、部活等で
スポーツをした経験がありますか?
筋トレしたり走ったり、経験のある方は良い思い出
(思い出したくなかったりもあるかも 笑)
として記憶に残っていることでしょう。
しかし、10年20年、へたをすると5年もすれば
昔の事として忘れかけてしまっている人も多いようです。
体調を崩して来院された方に、
「過去に運動の経験はありますか?」 と聞くと、 一度は「ありません」と答えたものの、
「中学や高校の部活等でも無いですか?」というと
「あ~、そのころはOOやってましたよ。」
なんて答えが返ってくることが多々あります。
これは今の体調不良と過去の運動との接点が、
まったく考えられていないからおこることです。 「そんな大昔の話を聞いてどうするの?」というような感じです。 関係の無い話なら私もしないところなんですが、実はこれ、
関係大ありだったりします。
と、ちょっと前置き長くなっちゃいましたが、
今回は過去の運動経験と筋肉の関係の話。 運動をするとその運動に必要な筋肉は、トレーニングされて太ります。
その分筋肉を動かしたときの血流を促すポンプ作用が大きくなり、
より強く疲れにくい筋肉に成長します。
運動する人にとってはこの筋肉の成長が、
よい結果をだすための必要条件となることでしょう。
しかし、この一度太った筋肉、 運動をやめてしまった場合どうなるのでしょう?
長い間運動から離れるとよく使われるのが ”筋肉がおちる”という表現。
”おちる”?
みなさんはこの表現、どうとらえていますか? 「運動やめたんだから、筋肉無くなってもとの状態に戻っちゃうんじゃない?」
そう考えた人、多いんじゃないでしょうか? 実はここに大きな落とし穴があるんです。 運動をやめた場合この太った筋肉、無くなるのではなく、
痩せて硬くなります。
すると一度運動量を増やした分、それが基準になってしまうので、
少しの運動量ではしっかりと動かない状態になるのです。 この状態になると、筋肉の動き自体も悪くなり、
その分代謝もおちて疲れやすい。
ここから運動不足のスパイラルに陥ってしまいます。
それは、
運動量減→筋肉硬→代謝ダウン→疲れやすくなる→ やりたくなくなる→運動不足(運動量減)→筋肉硬→.....
このような状態が生まれると、筋肉はどんどん硬くなっていきます。
しかも使う筋肉が左右差の大きいものや、
特定の筋肉をよく使うスポーツをやっていた人の場合、
その部分とそれ以外の部分で運動量減による影響にギャップが生まれます。
このギャップが、体のバランスを悪くしてしまうのです。
どういうことかというと、 特定の筋肉をよく使っていると、その筋肉は周りに比べて発達します。
発達している分他の筋肉に比べて、運動をやめたときの運動量低下は大きくなります。
すると発達している筋肉のほうが他の部分に比べて
著しく硬くなってしまうことが多いのです。
肩(首)や腰でこういうことがおきると、左右のバランスが悪くなり
頚椎や腰椎に影響がでてそれぞれの部位に痛みが出たり、
腕や足が痺れたりなんていう症状すら、ひき起こしてしまいます。 こうならないようにするには、 運動時に必ずバランスに気をつかい、
ストレッチやトレーニングで、できるだけ バランスに差が出ないようにしてもらうのが一番です。
しかし、学生時代にそこまでできる人(指導者も)は、まず、いないでしょう。
ではその狂ってしまったバランスをどうしたら良いのか?
それはまた次回のコラムで^^